Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
ポンと肩を叩かれて、紗綾はハッとした。つい物思いに耽ってしまった。
「気になるんでしょ? 行っておいで」
肩を叩いたのは香澄だ。明るい笑顔がそこにある。
「善は急げっスよ」
反対の肩を圭斗が叩く。その彼を香澄が不思議そうに見た。
「へぇ、引き留めないんだ?」
どこか感心したようでもある。
「ここは潔く見送るっスよ。どっかの誰かと違うんで」
「部長、どこにいるかわかってたりしない?」
昼休みは残り少ない。もしかして、と紗綾は圭斗に聞いてみた。彼の眷属なら居場所を掴んでいるかもしれない。
だが、圭斗はニヤニヤと笑う。
「それは親友でも教えられないっスよ」
「ちょっと! 親友って何よ? さっきも一番の男の親友とか言ってたわよね?」
「だから、引き裂けないって言ったじゃないっスか」
「私を差し置いて!」
香澄と圭斗が言い合いを始めてしまうが、十夜が気になる。
「まあ、あんたにはよくわかるところじゃないの。さあ、行った行った」
「うん、行ってきます」
そうして、紗綾は教室を後にした。
足は自然とあの場所へ向かっていた。
「気になるんでしょ? 行っておいで」
肩を叩いたのは香澄だ。明るい笑顔がそこにある。
「善は急げっスよ」
反対の肩を圭斗が叩く。その彼を香澄が不思議そうに見た。
「へぇ、引き留めないんだ?」
どこか感心したようでもある。
「ここは潔く見送るっスよ。どっかの誰かと違うんで」
「部長、どこにいるかわかってたりしない?」
昼休みは残り少ない。もしかして、と紗綾は圭斗に聞いてみた。彼の眷属なら居場所を掴んでいるかもしれない。
だが、圭斗はニヤニヤと笑う。
「それは親友でも教えられないっスよ」
「ちょっと! 親友って何よ? さっきも一番の男の親友とか言ってたわよね?」
「だから、引き裂けないって言ったじゃないっスか」
「私を差し置いて!」
香澄と圭斗が言い合いを始めてしまうが、十夜が気になる。
「まあ、あんたにはよくわかるところじゃないの。さあ、行った行った」
「うん、行ってきます」
そうして、紗綾は教室を後にした。
足は自然とあの場所へ向かっていた。