Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「風邪、もう大丈夫ですか?」
十夜は答えないが、具合が悪くてここで休んでいたという様子でもない。
「あ、あの……」
用件を言わなければ、そう思うのに、十夜が何も言わないせいで戸惑う。
「座ればいいだろう」
やっと口を開いてくれたかと思えば、視線で紗綾の定位置を示す。相変わらずそこには星形のクッションが置かれている。
「し、失礼します……」
「そこは貴様の場所だろう」
おずおずと座った紗綾に十夜は呆れているようにも見えた。
どういう意味なのか、まだ居場所があると思っていいのか。
聞くにはきっかけが足りなかった。
十夜は答えないが、具合が悪くてここで休んでいたという様子でもない。
「あ、あの……」
用件を言わなければ、そう思うのに、十夜が何も言わないせいで戸惑う。
「座ればいいだろう」
やっと口を開いてくれたかと思えば、視線で紗綾の定位置を示す。相変わらずそこには星形のクッションが置かれている。
「し、失礼します……」
「そこは貴様の場所だろう」
おずおずと座った紗綾に十夜は呆れているようにも見えた。
どういう意味なのか、まだ居場所があると思っていいのか。
聞くにはきっかけが足りなかった。