Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
『私は逃げようとして、神社の階段から落ちてしまった――けどね、私が自分の死を認め、この世でさまよわずにいられるのは、十夜君のおかげ。だから、あの子が一人前になるまで力になると誓ったの』
霊の中には不慮の事故で命を落とし、自分が死んだことにも気付かないままこの世をさまよい続ける者がいると聞いている。
それを導いてやることも彼らの仕事だ。
『十夜君はまだ未熟。だけど、あなたがいれば大丈夫。ずっと側にいてあげて』
不思議な気分だった。暖かさを感じる。
けれど、彼女がしてきたことが紗綾にできるわけではない。
そして、大事なことを自分が伝えていいのだろうか。
『十夜君は聞いてくれないから。だから、お願いね』
ミサキは紗綾の気持ちを察したようだったが、お願いを断れないこともわかっているのだろうか。
そうして、何も見えなくなり、彼女の声も聞こえなくなった。
手を離してもコインはもう動かない。
ミサキは十夜の元に戻ったのだろうか。
霊の中には不慮の事故で命を落とし、自分が死んだことにも気付かないままこの世をさまよい続ける者がいると聞いている。
それを導いてやることも彼らの仕事だ。
『十夜君はまだ未熟。だけど、あなたがいれば大丈夫。ずっと側にいてあげて』
不思議な気分だった。暖かさを感じる。
けれど、彼女がしてきたことが紗綾にできるわけではない。
そして、大事なことを自分が伝えていいのだろうか。
『十夜君は聞いてくれないから。だから、お願いね』
ミサキは紗綾の気持ちを察したようだったが、お願いを断れないこともわかっているのだろうか。
そうして、何も見えなくなり、彼女の声も聞こえなくなった。
手を離してもコインはもう動かない。
ミサキは十夜の元に戻ったのだろうか。