Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「月舘が呼ばれなかったのは召集されたのがサイキックだけだから」

 嵐が説明を始める。それならば、納得はできる。

「それもダメージあるっスよね。ここにいる以上コンプレックスに違いないんスから」

 圭斗が言う通りでもあった。
 三人ともサイキックで、けれど、自分だけが違う。
 世界的に見れば圧倒的多数と思われる普通の人間だが、この狭い室内では違う。
 常にその問題は付き纏う。

「榊、ちょいちょい話逸らそうとしないでくれるかな」
「はいはい、従うっスよ、センセ」
「何か含みのある言い方」
「そりゃあ、センセーは策士っスからねぇ」

 一体、二人の間に何があったのかと紗綾は首を傾げる。
 すると、嵐はハッとする。
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