Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「……貴様が次の部長だ」
「えっ……」

 一体、何を言い出すのだろうか。紗綾は困惑する。

「おっ、黒羽が喋った、って……月舘、驚くことじゃないでしょ。自然な流れだよ」

 十夜が卒業すれば残されるのは紗綾と圭斗、順当に考えれば紗綾が部長になり、圭斗が次の生贄を確保することになる。
 けれど、紗綾はサイキックではない。

「てっきり、圭斗君がなるんだと……」
「榊はその次。別に部長はサイキックじゃなきゃいけないって決まりはないし、作られることもないよ。八千草なんかサイキックだけど、問題作る方だったしね」

 オカ研での光はトラブルメーカーでしかなかった。

「もう奴の言いなりにはならない」

 十夜は強い口調で言う。奴とは校長だろう。
 オカ研はその管轄下で活動してきた。そこから外れるということだろうか。そうなれば、きっと部の公認もなくなるだろう。

「黒羽の独断ね」

 それは十夜が校長に噛み付いたということなのか。

「いや、初めてかっこいい部長を見た気がするっスよ」

 圭斗は一人で楽しげにしている。何があったというのだろうか。
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