Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「多分、全部聞いたんだと思います。視たんだと思います。部長は人殺しじゃありません」
噂を聞く度にそう思っていた。やっと真実がわかった。
彼は今こそ解き放たれなければならない。彼女は望んでいる。
自分にできるのかはわからないが。
「俺が死なせたも同然だ。わかっていて助けられなかったのは見殺しと同じだ」
きっと、彼はずっと自分の罪を背負っていく覚悟なのだろう。だから、本当に人を殺したのかと言われて、そうだと答えてしまう。
「ミサキさんは部長を恨んでません。忘れてって」
黙り込む十夜に紗綾は不安になる。やはり自分が踏み込んでいい問題ではなかったのだと思う。
沈黙に堪えられず、自分を見る彼が次の言葉を待っているようにも思えた。
噂を聞く度にそう思っていた。やっと真実がわかった。
彼は今こそ解き放たれなければならない。彼女は望んでいる。
自分にできるのかはわからないが。
「俺が死なせたも同然だ。わかっていて助けられなかったのは見殺しと同じだ」
きっと、彼はずっと自分の罪を背負っていく覚悟なのだろう。だから、本当に人を殺したのかと言われて、そうだと答えてしまう。
「ミサキさんは部長を恨んでません。忘れてって」
黙り込む十夜に紗綾は不安になる。やはり自分が踏み込んでいい問題ではなかったのだと思う。
沈黙に堪えられず、自分を見る彼が次の言葉を待っているようにも思えた。