Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
「あ、あの……」

 一体、誰から話を聞けばいいのか。

「あたし達が一番乗りよ?」

 うふふ、と永遠子が笑んで、鈴子を呼び寄せる。永遠子、久遠、鈴子、この三人が並ぶと壮観とも言える。
 黒羽オフィスが誇る美女三人と言ってもいいだろう。たとえ、男が混じっていても。むしろ、鈴子こそ女装した男性に見えるとは口が裂けても言えない。

「タイミング悪かったかな……でも、誰か後で兄貴も助けてあげてください」

 将仁は深刻そうだったが、将也は笑っている。
 ついででいいから、と言っているようだ。

「あ、俺達、遊びに来ただけね」

 光と花はニコニコしている。その瞬間、嵐の顔つきが変わった。

「じゃあ、帰れ」
「しょ、しょんなぁ~。ひどいよ、ひどいよ、クッキー!」

 もうこれはお約束なのかもしれない。
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