Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
昼休みに降臨する大天使
翌日の昼休み、紗綾は教室で香澄と昼食を食べようとしていた。
いつも学食に行くわけではない。教室で済ませることの方が多いくらいだ。
不意にぴたりと教室の喧噪が止み、何事かと紗綾は入り口の方を見た。
「ぶ、部長!?」
「ま、将也先輩……?」
香澄と同時に紗綾も驚きの声を上げた。
教室内がおかしな空気になった根源は将也だったのだ。
彼はゆっくりと教室内に入ってきて、また教室内はざわめきに包まれる。
将也は少し困ったように眉を下げて、それでもいつも通り穏やかに微笑んでいた。
「やあ、田端君、紗綾ちゃん。ご一緒しても構わないかな?」
手には弁当の包み、紗綾は思わず香澄と顔を見合わせた。
学食で遭遇し、昼食を共にしたことは何度かある。陸上部の面々が一緒だったことも彼だけだったこともある。
しかし、今まで彼が教室にやってきたことはなかった。
「それとも、教室まで押し掛けて女の子同士の楽しいランチタイムを妨害するのは無粋かな?」
微笑まれて、追い返すことなどできるはずもなかった。少なくとも紗綾には不可能だ。 近くの席のクラスメイトが気を利かせて席を譲り、将也は笑顔を浮かべた。
昨日のことかもしれない。紗綾は身構え、香澄は眉間に皺を寄せ、首を傾げていた。
いつも学食に行くわけではない。教室で済ませることの方が多いくらいだ。
不意にぴたりと教室の喧噪が止み、何事かと紗綾は入り口の方を見た。
「ぶ、部長!?」
「ま、将也先輩……?」
香澄と同時に紗綾も驚きの声を上げた。
教室内がおかしな空気になった根源は将也だったのだ。
彼はゆっくりと教室内に入ってきて、また教室内はざわめきに包まれる。
将也は少し困ったように眉を下げて、それでもいつも通り穏やかに微笑んでいた。
「やあ、田端君、紗綾ちゃん。ご一緒しても構わないかな?」
手には弁当の包み、紗綾は思わず香澄と顔を見合わせた。
学食で遭遇し、昼食を共にしたことは何度かある。陸上部の面々が一緒だったことも彼だけだったこともある。
しかし、今まで彼が教室にやってきたことはなかった。
「それとも、教室まで押し掛けて女の子同士の楽しいランチタイムを妨害するのは無粋かな?」
微笑まれて、追い返すことなどできるはずもなかった。少なくとも紗綾には不可能だ。 近くの席のクラスメイトが気を利かせて席を譲り、将也は笑顔を浮かべた。
昨日のことかもしれない。紗綾は身構え、香澄は眉間に皺を寄せ、首を傾げていた。