Catch-22 ~悪魔は生贄がお好き~
策士の憂鬱と悪魔の秘密
放課後、紗綾はひどく重い気分で部室の前に立っていた。一歩一歩を踏み出すのさえ苦痛に感じられたほどだ。
緊張か不安か、息苦しい気持ちもある。
昨日の彼の面接がどうなったのかが気がかりで仕方なかった。
もし、合格となってしまった場合、圭斗はどうなってしまうのだろうか。いや、そんなことはわかりきっている。
立っているだけで捕まえられる生贄は実は圭斗ではなく、彼の方だったのか。
今、この中に彼はいるのか。それが問題だった。
香澄は心配だからついていくと言い出し、必死に説得して止める内に随分時間がかかってしまった。
心配とは言っても、彼女はそれを理由に殴り込むつもりだったのだ。ついに『ぶっ飛ばしてやる』宣言を現実のものにしようとしていた。
昼休み、将也が去った後、憤慨し続ける香澄を宥めることは紗綾には不可能だった。彼女の怒りを収められる人物などいない。
そして、十夜に昨日のことを言ったところで無駄なのだ。俺には関係ないと一蹴されるに決まっている。
紗綾はできることならば、これ以上自分のことで十夜を煩わせたくなかった。
勢いで彼のせいなどと言ってしまったことを後悔してもいる。
緊張か不安か、息苦しい気持ちもある。
昨日の彼の面接がどうなったのかが気がかりで仕方なかった。
もし、合格となってしまった場合、圭斗はどうなってしまうのだろうか。いや、そんなことはわかりきっている。
立っているだけで捕まえられる生贄は実は圭斗ではなく、彼の方だったのか。
今、この中に彼はいるのか。それが問題だった。
香澄は心配だからついていくと言い出し、必死に説得して止める内に随分時間がかかってしまった。
心配とは言っても、彼女はそれを理由に殴り込むつもりだったのだ。ついに『ぶっ飛ばしてやる』宣言を現実のものにしようとしていた。
昼休み、将也が去った後、憤慨し続ける香澄を宥めることは紗綾には不可能だった。彼女の怒りを収められる人物などいない。
そして、十夜に昨日のことを言ったところで無駄なのだ。俺には関係ないと一蹴されるに決まっている。
紗綾はできることならば、これ以上自分のことで十夜を煩わせたくなかった。
勢いで彼のせいなどと言ってしまったことを後悔してもいる。