.゚*Milky Way*゚.
「でもね…とっても思いやりがあって、優しいパパだったんだ」

話してて、泣きそうになった。

その優しいパパは、もうどこを探してもいない。世界中のどこを探したって、絶対に見つからないのだ。


「夕芽さんはお父さんのこと、大好きなんだね」

「…っ」

優しく微笑む叶斗くん。
私は…ただ頷くことしかできなかった。声に出したら、涙が溢れそうだったから。

そう…私はパパのことが大好き。
大好きだよ…。

涙が零れ落ちそうなのを、なんとかギリギリのところで堪える。


ダメだ…これ以上はパパのこと…話せない。

きっと、自分がおかしくなってしまう…保てなくなってしまう。


「……叶斗くんは、兄弟からはなんて呼ばれてるの?」

話をそらそうと、私は咄嗟に話題を変えた。


「僕は、普通にお兄ちゃんって呼ばれてるよ」

「そうなんだ!」

「夕芽さんは?」

「私は夕芽って名前で呼ばれてるよ。お姉ちゃんじゃなく…」

「へえー、でもなんかそれもいいね」

「あははっ」


良かった…。
どうにか、普通になった。
涙を堪えることができた。
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