透明な君



母さんの体は


サツキを思い出させるほど細かった。



骨の感触がかなしかった。
サツキと同じ骨だらけの体。






でも、1つだけ違う。

母さんはまだ温かい。





僕が弱いばっかりに


母さんを死なせてなるものか。






今度は気づいたんだ。






死なせてたまるか。


葬式以来空っぽだった
心が少し満たされた気がした。



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