透明な君


学校に近づくにつれて

胃がキリッと痛んだ。


額にも汗がじんわりと滲んでいた。


制服だということに構わず
右腕で額の汗をぐっと拭った。


「はぁ…緊張してんのか?僕は…」

自分に苦笑してしまう。
でも、このなんとも言えないような緊張感が少し心地よかった。


最近緊張なんてしたことなかったからなぁ。


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