透明な君



キレイに拭かれ
病院の一室に寝かされていたサツキの体に触れるとやっと気づいた僕。



明らかに痩せすぎていた。


鬱病だったの───…


サツキの母親から出た言葉に
なんともいえない
悔しさが
苦しさが込み上げてきて押しつぶされそうで
葬儀の最中でも

泣き叫ぶことしかできなかった。





僕の声に涙につられて
参列者からのすすり泣く声が大きくなる。


お坊様のお経も耳に入らない。



雨まで振ってくる。
しめやかな葬儀。










僕の人生初の葬儀が君の葬式だなんて思いもしなかった…。




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