透明な君
優しさ
顔を洗って
まだ少し赤い目のまま
教室に戻ると
昼間の賑やかさは
静けさに変わっていた。
サツキとの
あの時の放課後のように…。
誰もいないんだろうな
そう思いながら教室に入ると
机に突っ伏してる女の子が1人いた。
「さ…サツキ…?」
奇跡が 起こったのかとおもった…。
「残念!ハズレ」
女の子はゆっくりと頭をあげて
大きく伸びをすると
立ち上がり僕と視線を絡ませた。
「…………ヒトミちゃん?」
女の子は
小さく笑った。
「光栄だなぁ!美少女サツキに間違えられるなんてっ!!」
「ご…ごめん」
間違えられて嬉しい人なんているはずない。