ラスト・エンジェル
しばらくして寝室に入ってきた母に
「明日、帰っててもえぇえ?」
と告げました。

夜が明けたら、横浜に帰ろうと思います。

しおりを可愛がってくれた人に会わせたい。シオンと同じ場所で天国に送ってあげたい。

しおりが冷たくなるのが怖くてふとんにくるまってしおりを暖めていました。「今日も寒いね」って。

そんな僕を母は、

「新幹線の中は暖房がきいとるんよ。そんなに暖めたら新幹線で臭くなるよ。臭くなったらかわいそうなんはしおりよ。自分の事ばかり考えんさんな。」
< 17 / 204 >

この作品をシェア

pagetop