ラスト・エンジェル
「しおりのこと、ごめん…」

僕は彼女に謝らなければならなかった。本当ならもっと生きていられたのだから…。

「ううん、これまでシオンとしおりのこと、ありがとう…。」

「ごめん…。」

「辛かったでしょ…お金は私が出すからタクシーで帰ろうね。」

なぜだか泣きそうになった。横浜も外は冷たい雨が降っていた。

タクシー乗り場までの道中で、雨を避けてミニチュア・ダックスフントを連れた人を見掛けた。また泣きそうになってしまう。

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