運命なのか、奇跡なのか。

『でも、拓斗は自分の幸せを選んだだけだよ。拓斗の幸せを願うのがあなたの役目でしょ?好きな人ならなおさら。』


「そんなこと、わかってる…わかってるけど…!!!心の整理がつかないの、」


『だからって、拓斗や、その好きな人をうらんじゃだめだよ。』


「わかってるよっっ!!!!!でも、そうじゃないと私は潰れちゃうよ…」


『それなら、いっぱい泣きなよ。玲哉お兄ちゃんに教えてもらったみたいにさ、』


「な、く…?泣けるの…?そんなことで収まらないよ、好きな人、寝取られたんだから…、」


『そんな言い方、だめなの。拓斗はちゃんと彼女のこと好きなんだよ…。』


「私よりも、好き…?

そうだよね、私より彼女の方が好きなんだよね、

抱きたくなるくらいに…。

私には触れずに、あの子には触れるんだよね、」



『昨日のは、最後のあいさつなんだよ、』


「最後の…?そっか、最後なんだね、」
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