人喰いについて
『人喰い』
ーーーー人口爆発の影響により世界がどん底に陥った西暦3040年の夏。
人類の首都に突如現れた者達。
人の形をした彼らは人類を目の前に、死刑宣告ならぬ言葉を残していった。
人を食わせろ、と。
もちろん当時の人々は恐れおののき、彼らを非難した。だが、彼らが住み着き始めた数日、人間を食べ尽くしていく過程で人口爆発が徐々に収まっていったのを目のあたりにすることになった人類は、それまでの態度を翻し、彼らを崇拝し始めたのである。
この実態を政府が見逃すはずもなく。
彼らが現れてから二年後、政府は『人喰い』を法を持って規制し、その上で共存を許した。
ーーーそのような歪な過去から早十年。
『人喰い』と人間の比率は半分となっていた。