人喰いについて





ーーーー夜の外は危ないよ。


その言葉を呪われたように繰り返す周りの大人達は皆、自分の親しいものだとか、子供だとかが傷つくことを恐れているのだろう。




霧がかったように辺りが薄暗くなってきている。自分の足音意外に聞こえるのは雨が地面を叩きつける音だけだった。

確かに、雨が降って視界が悪い夜の外は暗闇に紛れてしまう。"あいつら"が一番うろつきやすい時間帯だ。

…それを恐怖にすら感じない私はどこか狂ってしまったのだろうか。




「……あー」



違った。



"あの日"から、すでに私は、狂ってしまっていたんだった。








「お嬢さん、ここでなにしてるの?」



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