Milky Way~壁の乗り越えかた~
「どうして、そんなこと言うの?」

わたしだって、義則のことが好き。

だから、高校も同じ所を通えるように、頑張って勉強した。

それなのに……

「わたしのことが好きなら、なんで東京に言っちゃうの!?」

溜まりに溜まった思いを、義徳にすべてぶつけた。

「ずるいよ、義徳。今になって告白なんて……」

「ごめん」

義徳の腕がわたしを包み込む。

「俺は欲張りだから、夢も琴音も両方手に入れたいんだ」

「できるの?」

「今はまだ十分じゃないけど、一人前になったら戻ってくるよ。そのときまで待っててほしい」

自分でも恥ずかしいのか、義徳は顔を赤らめながら言った。

「馬鹿、待てると思ってるの?一人前になるのは待ってあげるけど、それまで付き合えないなんて御免だから。ここから東京なんて、遠恋なんて距離でもないでしょ?」

「琴音……」

「それができないなら、わたしのことなんて諦めなさい」
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