Milky Way~壁の乗り越えかた~
「まさか琴音が作ってくれるとは……」
「びっくりさせてくれたお礼だよ」
わたしだけがドッキリに遭うのは癪だからね。
台所に立つのは久しぶりだし、何より義徳達に振る舞うものだから作る手にも力が入った。
「本当に美味しい。しかし、よろしいのでしょうか、私までここにいても」
「もちろんですよ、いつも義徳がお世話になってるんですから」
「お前、母さんみたいなこと言うなよ……」
実際、義則の母、千景さんも「お世話になっているお礼」と、事務所に差し入れ等を持ってくるらしい。
「でも、安曇先生って料理苦手なんじゃ……」
松澤先生がそう言った瞬間、義則と怜央が苦笑い。
「やっぱり、普通は松澤先生みたいに思うよね……」
「はい?」
「雪乃さん仕込みだから琴音も怜央も料理は得意ですよ。ただ琴音は弁当みたいに1人単位で作るのが苦手なんですよ。大皿料理は、今実証した通り絶品なんですけどね」
「だって、弁当箱に合わせようとすると上手くいかないんだもん……」
「まあ、本気で作ろうとしたらできると思うけど、半分作らず嫌いだね」
「びっくりさせてくれたお礼だよ」
わたしだけがドッキリに遭うのは癪だからね。
台所に立つのは久しぶりだし、何より義徳達に振る舞うものだから作る手にも力が入った。
「本当に美味しい。しかし、よろしいのでしょうか、私までここにいても」
「もちろんですよ、いつも義徳がお世話になってるんですから」
「お前、母さんみたいなこと言うなよ……」
実際、義則の母、千景さんも「お世話になっているお礼」と、事務所に差し入れ等を持ってくるらしい。
「でも、安曇先生って料理苦手なんじゃ……」
松澤先生がそう言った瞬間、義則と怜央が苦笑い。
「やっぱり、普通は松澤先生みたいに思うよね……」
「はい?」
「雪乃さん仕込みだから琴音も怜央も料理は得意ですよ。ただ琴音は弁当みたいに1人単位で作るのが苦手なんですよ。大皿料理は、今実証した通り絶品なんですけどね」
「だって、弁当箱に合わせようとすると上手くいかないんだもん……」
「まあ、本気で作ろうとしたらできると思うけど、半分作らず嫌いだね」