Milky Way~壁の乗り越えかた~
数分後怜央が持ってきたものは、1冊の分厚いファイルだった。

わたしは、それが何なのか一目見て直感した。

「そう。デビューしてからの義君が載ってる、雑誌や新聞のスクラップ」

「怜央さん、それも見ていいの……」

「もちろん」

松澤先生は、もう見るからによだれを垂らしそうだ……

こんな姿、生徒には見せられない。

「松澤先生、ファン魂もほどほどにしておいたほうがいいですよ……」

ズキン。

なぜだか、急に胸に痛みが走った。

義則の記事を熱心に読む、松澤先生を見ているだけで……

義則とじゃれあっている、怜央を見ているだけで……
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