Milky Way~壁の乗り越えかた~
「琴音ちゃん!琴音ちゃん!」

ある日、怜央が1冊の雑誌を持って部屋に駆け込んできた。

「珍しいね、怜央が女性週刊誌を読むなんて」

「珍しいも何も今日が初めて……って、そうじゃなくて!」

肩で息をしながら、怜央はバンと雑誌をテーブルに叩きつけた。

「これ見て!」

言われるまま、その雑誌を見る。

「何これ……」

“鷲尾奏、梓と密会デート!”

表紙には大きな見出しでそう書かれてあった。

「撮影の帰りに寄ったコンビニで見つけたの……」

梓っていうのは、たしか義徳の相手役の女性だったはず。

梓と2人でホテルから出てくる義徳の写真が、見開きにでかでかと載っていた。

「義君がこんなに馬鹿だとは知らなかった!琴音ちゃんって恋人がいるのに!」

「へっ?」

怜央は今何を……

「どうかした?」

「なんで知ってるの!?」
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