Milky Way~壁の乗り越えかた~
「馬鹿じゃないの!?」

レポート作成に取り掛かろうとしたら、急に目の前の女性が大声を上げた。

危うくパソコンのうえにコーヒーをこぼすところだった。

わたしがポカンとしている間にも言い争いはエスカレートしていく。

「すごい喧嘩……」

でも、あの声どこかで聞いたことがあるような……

「だいたい……」

周りの人達の目もそのカップルに集中する中、すっかり頭に血が上った様子で女性のほうが立ち上がった。

「松澤先生!」

「安曇先生……」

「先生!?」

驚いた顔でこっちを向いたのは男性のほう。

「あれっ?貴方、どこかで見たような気が……」

「あって当然よ、うちの生徒だから」
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