Milky Way~壁の乗り越えかた~
「呆れるでしょ?」

先に乾君を家に帰し、ここからは女2人の会話。

「その理論だと、世の奥様達はみんな不倫してるってことになるのにね」

確かに乾君の取った行動は無茶苦茶だけど……

「プッ」

思わず笑ってしまったわたしを、松澤先生は不思議そうに見る。

「安曇先生?」

「すみません。ただ、乾君にそれだけ想われてる松澤先生が羨ましくて」

「まあ、恒河君の気持ちも分からないわけじゃないのよ」

松澤先生はしつこいアプローチに根負けしたから交際を承諾したのかもしれないと、乾君は常に不安らしい。

「不安なのはこっちも同じなのに……」

年の差を不安に思うのは、彼氏のほうも彼女のほうも同じ。

「それに、根負けしたくらいじゃ結婚なんてしないわよ」

そんな簡単なことで結婚なんて……

「結婚!?」
< 38 / 82 >

この作品をシェア

pagetop