Milky Way~壁の乗り越えかた~
「結婚って……」

思いがけない松澤先生の言葉に、それ以上返せなかった。

「あっ、そういえば、言ってなかったわね」

「あ、相手は……」

「わたしが恒河君以外と結婚するような節操のない女に見える?」

「い、いえ。ただ、ちょっと驚いてるだけで……」

まさか、そこまで進んでいるとは思わなかった。

「一応、お互いの親には話してあるし。恒河君が卒業した後に籍を入れて、生活が落ち着いた頃に式を挙げるつもり」

「進路のほうは……」

「それも大丈夫、さっきも言ってたとおり親戚の会社への就職が決まってるから。まあ、最初は大変だと思うけど、両方働くし、なんとかなるでしょ。それに、わたしももう32だから早く結婚したいしね」

最後に松澤先生は冗談めかして笑った。

幸せそうだ。

確かに大変なことはこれからたくさんありそうだけど、この2人なら乗り越えられそうな気がする。
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