Milky Way~壁の乗り越えかた~
「琴音と怜央に大事な話があるの」

夕食を終えた後、お母さんがわたしと怜央を呼んだ。
「義徳君のお母さんから電話があって、義徳君、卒業したら家を出るみたいよ」
「嘘!?」

どういうこと……義徳が家を出るって。

「高校だって家から通うんでしょ……なんで?」

お母さんがいろいろ話していたみたいだけど、全然耳に入らなかった。

「義君、遠くに行っちゃうの?」

怜央が心配そうに言ったけど、わたしはもっと不安だった。

義徳と離れるなんて考えられない。

「義徳君、東京に行くって」

お母さんの言葉が、わたしにとどめを刺した。
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