Milky Way~壁の乗り越えかた~
驚いているわたしとは対照的に落ち着いた口調で、義徳は「結婚」の2文字を口にした。

「今すぐとは言わないよ。ただ、俺の気持ちを知ってほしかっただけ」

「もしかして、ここに呼んだのって……」

「そう。不安だったのは俺も同じ。だから、琴音から電話をもらったときに『言うなら今日だ』って思った。すぐに、怜央にサイズ聞いて服を買って、その足で宝石店に行って、ここも予約した」

まったく、用意がいいのか向こう見ずなのか……

でも、わたしのためにここまでしてくれたのは、純粋に嬉しかった。

「それに、俺には時間がなくて……」

「おい、時間がないってどういうことだ!?」

今の言葉は聞き捨てならない。

まさか、不治の病にかかってるのか、義徳……
< 48 / 82 >

この作品をシェア

pagetop