Milky Way~壁の乗り越えかた~
「どういうことなの!?家を出るって」

翌朝、ご飯を食べ終えるとすぐ義徳の家に駆け込んだ。

「一緒の高校に行くんじゃなかったの!?」

「ちょ、ちょっと、まずは落ち着こうよ」

気づけば、わたしは義徳に掴みかかっていた。

興奮していたとはいえはしたない。

義徳が出してくれたジュースを飲み、ひとまず冷静さを取り戻す。

「それで、本当なの?」

「本当だよ」

「どうして……」

義徳はしばらく黙った後、真剣な顔でわたしを見た。

「あの舞台の後、俺が弓削さんに呼び出されたのは覚えてるよね?」

「うん」

「実はあの日、プロダクションの人がたまたま見に来てたんだ」

「プロダクションって……」

もしかして、芸能プロ……

「それで俺の演技を見て、中学卒業したらうちに来ないかって誘われたんだ」

「高校は、高校はどうするの?」

「それも向こうから紹介された。一応受験はしなきゃいけないけどね。全寮制なんだ」

「家は?」って言いたかったのに、義徳に先を越された。
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