Milky Way~壁の乗り越えかた~
「残念だが、わたしの場合はファーストキスじゃないぞ」

ふと、義徳をからかってみたくなってこう言ったら、予想どおり義徳は狼狽の色を見せた。

「そんな、まさか!?そうなら、ずっと一緒にいた俺が知らないはずない」

義徳以外の「男」としていたらな。

「6歳のときに3ヶ月の怜央としたのが、わたしのファーストキスだ」

からかわれたと知った義徳はムスッとした表情をわたしに向けた。

「義徳の妙に子供っぽいところ、昔と変わってないな」

「琴音の悪戯好きなところこそ、ちっとも変わってない」
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