Milky Way~壁の乗り越えかた~
「義徳って、こんなにロマンチストだったのか?」

「牽牛になりたい」だなんて……

「続きも読んでよ」

再び雑誌に目を向ける。

“ということは、鷲尾さんにとっての織姫がいるわけですか?この前の熱愛報道は否定されてましたが”

記者の常套手段だ。

“いますよ。もちろん別の人ですけどね”

“相手はもしかして芸能界の人ですか?”

“違いますよ。騒がれると困るので、詳しいことは言えませんが”

“その人のことを想って芸名を付けたんですね?”

“ええ、七夕伝説にあやかったわけです。もっとも、伝説と違って、僕達は5年以上もずっと離れ離れでしたけどね”
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