Milky Way~壁の乗り越えかた~
「この『織姫』って……」

「もちろん、琴音のことだよ」

「そ、そんな。わたし織姫って柄じゃ……」

「琴音だからこそ織姫なんだよ。織女星、ベガは琴座の一等星だから」

琴座……

「わたしの名前……」

「だからこの芸名にしたんだよ、想いの証としてね」

その言葉を聞いたとき、わたしの中の思いが溢れ出た。

「ごめん、義徳。ショックだったとはいえ、梓との仲を疑った。こんなにもわたしのことを思ってくれていたのに……」

「気にしてないよ。今、こうして一緒にいられるんだから。これからは、たとえ天帝の罰が下っても離れないから」

「ああ、ずっと一緒だ」
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