Milky Way~壁の乗り越えかた~
「初授業はどうでした?安曇先生」

「松澤先生、いや、もう松澤先生じゃ失礼でしたね」

「わたしも、安曇先生って呼んじゃ失礼ね」

「お互い下の名前で呼びましょうか」

雲雀先生とのランチタイム。

周りにはあまり人がいないから、内緒話も少し小さい声で話せば大丈夫。

「いよいよ今日発表するんですね」

「ええ。まだちょっと緊張してるけどね」

「大丈夫ですよ。みんな祝福してくれますって」

「ふふ、幸せいっぱいの琴音先生に言われると嬉しいよ」

「雲雀先生……」

「一発で正教員に採用なんて、愛の力かな」

「それは、アイツを待たせたくないからで……」

愛の力なんて大層なものじゃ……

「こっちも待ったんだから、向こうに待ってもらおうとは思わなかったの?」

「そんな短絡的なことで手を抜きたくなかったんです。それに、待ちきれなかったのはわたしも同じですから」

「あら、ごちそうさま」
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