Milky Way~壁の乗り越えかた~
「辞めませんよ」

迷いのない、すがすがしい表情で義徳が答えた。

「それは、そこまで同棲したくはないということか?」

「もちろん、したいですよ。ただ、役者を辞めることは、送り出してくれた琴音に対する最大の裏切りだと思いますから。それに琴音も許さないでしょうし」

「義徳……」

義徳がそんなことを考えてくれていたなんて……

あのとき送り出して正解だった、改めてそう思った。

「言いたいことは分かったが、同棲なんて認めんぞ」

「お父さん!」

「お願いします!」

どうして認めてくれないの、お父さん……

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