黒龍
…
笑ってた。
駿は避けられてるのに
笑ってた。
きっとあたしが
強いと分かって
楽しんでたんだ。
仲間のためじゃなく、
自分のために
拳を向けていた駿。
「お前、どこの族だ?」
さっきとは違う質問をする駿。
あたしはそれをシカトし、
「お前は、何のために
総長をやってる」
少し驚いたようで
目を大きく開いた。
が、
すぐに微笑み
「喧嘩がしたいから。
もっともっと
強い相手と戦って、
俺自身、もっと強くなりたいから」