黒龍
--
今は7時。
遥と2人で
獣牙の倉庫へ
向かっていた途中。
目の前には、
もうすぐ7月だというのに
パーカーを着ている男。
しかもフードを
深く被っている。
俺たちに気づいたのか
ばっと振り向いた
その男。
「あれれー?
こんな子、
うちにいたっけ?」
と遥。
「…誰だ、お前?」
それに続く俺。
そいつは答えず、
また遥が
「てか、
もう7月になるんだよー!?
さすがに
パーカーに
しかもフードそこまで
深く被るのって
暑くない?
ねえ、駿?」
と聞く。
が、これもシカト。