黒龍
俺は苛立ち、
「お前、誰だっつってんだ」
…すると、
「…な…と」
微かだが、何か喋った男。
「ああ?」
聞こえないと、
付け足そうとしたその瞬間
男は後ろを向き
走り出した。
と思えば、
集まって話をしていた
下っ端に
殴りかかる。
それに気づいた
女を囲んでいた男たちが
そいつに向かって
殴りかかる。
が、
見事にかわし
男たちを倒していく。
9人の男たちを
5分もしないうちに
倒した男。
ぞくぞくした。
と同時に
「…お前、
誰だって聞いてんだろうがあっ!!」
俺はそいつに拳を向け
走っていた。