黒龍
俺のパンチを
直前で避けた男。
苛立ちはしたものの、
そんなことより
わくわくの方が大きかった。
山口麗とのことがあり
強くなりたかった俺には
丁度良かった。
何度も何度も
拳を向けるが
すべてを避ける男。
…気づいたら笑ってた。
強い。
俺のパンチを
すべてかわす男。
すると、
バンッと壁にぶつかった俺。
頬がじんじんと痛み、
口の中は
血の味でいっぱいだ。
そこで初めて
自分が殴られたことに気づく。
「お前、どこの族だ?」
この強さは、
確実に俺たち獣牙より
上の族だ。
が、またも
俺の質問には答えず
「お前は、何のために
総長をやってる」
と聞かれる。