黒龍





キーコー… キーコー…





あの夜と同じように
ブランコをこぎながら
月を見つめる楓。








「変態おやじに襲われたら
 許さねえよ」




俺の言葉で
ビクッとはするものの

こちらを振り向くことはない。





「そうね、

 でも許してもらえるなんて
 思ってないから。

 そっちのが
 都合がいいかもしれないわ」




また…。




俺の方を見なかったのは
涙を流してたから。


泣いてるのを
俺に見られないようにするため。




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