黒龍





「……

 女の子だって。



 翔司がこの子に
 取られそうで怖いわ」





…!?





「…お、女!?

 もう分かったのか!?」



焦る俺を見て、
本当に幸せそうな笑顔の楓。




「そうよ。

 
 名前もそろそろ
 決めてもいいかもねって。

 お医者さんがそう
 言ってたわ」






未だ混乱を隠せない俺。



そんな俺に優しく
抱き付く楓。




「ありがとう。

 
 あなたで良かった」





その言葉で俺は涙を流した。




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