黒龍
ご飯を食べ終わり、
恭介とテレビを観ていると
「翔司、ちょっと手伝って」
と楓に呼ばれる。
「これ、
一緒に干してもらってもいい?」
「ああ」
と言って洗濯かごを持って
ベランダへ。
「恭介くん、
昨日どうしてひとりだったの?」
と、楓。
ああ、そのことか。
楓は普段、
俺に家事を手伝ってと
言わないから
何かあったんだろうと
思ってたけど。
「…それが、
よく分かんねえんだよ。
親のこと聞いても
泣きながら頭横に振るだけで」
「昨日、
オムライス作ったとき
すごい勢いで食べてたじゃない?
相当お腹空いてたってことよ。」
「ああ、
風呂一緒に入ったときも
すげー細かった。
それから…
痣、出来てたんだ」