黒龍
すると女は、
「こんな子知らないわ。
早く行きましょ」
と、恭介を軽く睨み席に着く。
「……お母さん…」
その場で、
泣き崩れる恭介を急いで
抱きかかえトイレに向かう。
おそらく、
あの女は恭介の母親だろう。
だけど、隣の男は違う。
愛人?
浮気してるのか?
たくさんの疑問が浮かぶ中、
「おっ、かあっ…さ、ん」
今までに見たことない勢いで
泣く恭介。
俺はいつもと同じよに
背中を優しく叩くことしか
出来なくて。