黒龍
女は、
涙を流してた。
そして、
そんな女に合わせるように
恭介も楓も
ぽろ、ぽろと涙を流す。
そんな2人を強く抱きしめ、
「今日から俺たちは家族だ」
一言だけ。
きっと2人には伝わるだろう。
「お兄さん、
お姉さん、
…ありがとう」
本当に、本当に小さな声で
呟く恭介。
「今日から俺はお前の親父だぞ。
お父さんって呼べよ」
笑ながら恭介の
頭を撫でる。
いつの間にか
楓の涙は止まってて
「私はお母さん。
よろしくね、恭介」
昨日の夜と同じように
手を差し出す。