黒龍





女は、
涙を流してた。



そして、
そんな女に合わせるように
恭介も楓も
ぽろ、ぽろと涙を流す。




そんな2人を強く抱きしめ、



「今日から俺たちは家族だ」



一言だけ。


きっと2人には伝わるだろう。









「お兄さん、
 お姉さん、

 



 …ありがとう」


本当に、本当に小さな声で
呟く恭介。






「今日から俺はお前の親父だぞ。

 お父さんって呼べよ」




笑ながら恭介の
頭を撫でる。





いつの間にか
楓の涙は止まってて



「私はお母さん。

 よろしくね、恭介」




昨日の夜と同じように
手を差し出す。





< 228 / 366 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop