黒龍
「…私も本当は
ずっと謝りたかった。
あの時、
麗ができた時
翔司は私と麗を守るって
そう言ってくれたけど
これから
私より素敵な人と
出会う可能性のある翔司が
私の隣に居ていいのかなって。
だけど、
もしあの時麗が
できてなかったとしても
私はきっと
今この場所に居たと思うわ。
ううん、
16歳の私も
今翔司の隣に居ることを
望んでたと思う。
翔司は気づいたら
どんどんかっこよくなってて。
本当今翔司の隣に居るのが
私なんて、
奇跡としか思えない。
…だけど、
これからも翔司の隣に
居たいって思う私は欲張りかな?」
いつの間にか
頭を上げ俺の顔を見る楓は
困ったように、
でも嬉しそうに
笑ってた。