黒龍





静かに話を終えた
親父の瞳は

少しだけ潤んでた。




親父が愛する天竜組に
裏切り者が居たことが、

相当
ショックだったんだろう。





「…分かった。


 ただ…







 今回の仕事のことは
 楓には話さないでくれ」




親父の想いは
痛いほど分かる。


俺も黒龍の仲間に
裏切られたら、
きっと立ち直れないだろうから。



だから
もちろん答えは"やる"だ。





だけど、
今回の仕事は
楓たちを巻き込む可能性が
高くなる。



いくら俺の情報が
流れないとしても、

楓と一緒に居るところを
見られたら


ただでは済まないだろう。




< 277 / 366 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop