黒龍
静かに話を終えた
親父の瞳は
少しだけ潤んでた。
親父が愛する天竜組に
裏切り者が居たことが、
相当
ショックだったんだろう。
「…分かった。
ただ…
今回の仕事のことは
楓には話さないでくれ」
親父の想いは
痛いほど分かる。
俺も黒龍の仲間に
裏切られたら、
きっと立ち直れないだろうから。
だから
もちろん答えは"やる"だ。
だけど、
今回の仕事は
楓たちを巻き込む可能性が
高くなる。
いくら俺の情報が
流れないとしても、
楓と一緒に居るところを
見られたら
ただでは済まないだろう。