黒龍
6月まで
あれから、
急いで帰ったつもりだったが
家に着いたのは
11時過ぎだった。
ガチャ…
ゆっくりと、
楓たちが起きないように
静かに扉を開ける。
「…こことも
しばらくばいばいだな…」
そう呟いた瞬間、
「仕事、今度は長期なの?」
!?
「……楓…。
起きてたのか」
リビングには
ソファで雑誌を開いている楓。
「当たり前じゃない。
翔司が帰ってきてないのに、
寝るわけないでしょ」
少しだけ頬をふくませて
そう言う楓。