黒龍
目を開けると
少し眩しくて、
上手く目を開けられない。
そのことから
昨日あれから、
泣いたまま
眠りについたことを
知らされる。
楓はどうしたんだろう、と
ふと疑問に思うが
その疑問はすぐに解けた。
「……楓…」
さっきから
なぜか温かい左肩。
そこには、
スースーと
静かに寝息を立てる楓。
起こさないように、
ゆっくりと楓を横にさせる。
時計を見ると、
7:34。
…約束の時間まで
あと1時間ってところか。