黒龍





要の言葉に、
今度は楓ちゃんが
意味が分からない
と言いたげな表情。





そんな楓ちゃんを見て、
口を開いたのは健。





「翔司を失って、
 傷ついているのは


 僕たち黒龍ですよ。




 そして、
 そんな僕たちを見て
 笑っているのは
 きっと翔司です」







静かに、
だけど怒りのこもった
健の言葉に


さすがに楓ちゃんも
黙っていられない。







「…あなたたちが、
 
 翔司に何を言われて
 今傷ついているのかは
 分からないけれど。




 …翔司を信じることが
 出来ないあなたたちの言葉を
 私は信じることが出来ないわ…」






いつの間にか
楓ちゃんからも流れる涙。



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