黒龍
「…翔司…。
今日は麗の誕生日よ…」
そう言ったお母さんは
優しい笑顔だった。
「…麗、2歳になったのよ。
あなたのおかげで、
麗は今…
…生きてる。
…だけど、
目を覚ました恭介は
"お父さんが居ないとやだ"って
そうわがままを言うわ。
…麗も、
"お父さんは?"って。
毎日聞いてくるでしょうね。
…私は…っ、
…私はっ
あなたなしじゃ生きられない。
だってっ、
私はあなたに守られる魚だもの…っ。
あなたが居なくなったら
私はどうすればいい…?
ねえ、翔司…?
……会いたい…」