黒龍
ギイィ…
ゆっくりと開いた扉は
屋上へと繋がるものだった。
こんな暑い日に屋上かよ、
と思ったものの
そんなこと言えるほど
今の空気は良いものじゃない。
むしろ、
少しだけ駿から殺気を感じる。
直感でやばい、
とは思うものの。
それでも
逃げるっていう
選択をするほどの
低いプライドなんて
持ってないから、
「で、何か用?」
あたしも同じように
少しだけ殺気を出して質問する。
ゆっくりとこちらを振り向くと
「お前、何者?」